デスク席から(23)「8月に思う」



カテゴリー:デスク席から
2016.8.8.(月)

原爆や戦争、平和…そんなことを考えるシーズンです。
最近は取材に出る機会が減りましたが、若い記者の頃は、よく夏に戦争に関する取材をさせてもらいました。(本当は“季節的”な話題であってはならないのですが…)

津市で日本軍属に徴用された在日韓国人のカン・プジュンさんを取材したのは1992年から。日本名は鳳山哲雄さん。カンさんは日本人として戦争に行き米軍の機銃掃射を受けて片手の指4本を失い、片目を失明しました。しかし、サンフランシスコ講和条約で日本国籍を失ったため日本人並みの補償を受けられず、その矛盾を訴え裁判まで起こしました。結局、求めていた障害年金の支給には至りませんでした。カンさんは「日本政府にひとこと謝ってほしかった…」とつぶやきました。カンさんはこうも言います。「第二次世界大戦は終わってないんです。われわれのことをきちっとしてくれてはじめて終わるんです。」
カンさんはその後、自身にとっての“終戦”を迎えることなく亡くなりました。
また、日本で唯一地上戦が展開された沖縄県の大田昌秀知事(当時)を取材した時は、こんなことをおっしゃっていました。「戦争では、特に若い人たちが大勢亡くなってゆきました。その皆さんが生きていたら、どんな国になっていたことか…。それが最もつらいことでした」と。

一般の人たちにとっても“戦争”は終わっていないという見方も。
戦争で過酷・悲惨な体験をした人は、その記憶をかかえながら人生を歩んでいかねばならなかったでしょうし、夫や妻、子ども、父や母を亡くした人も、家族が欠けたまま戦後を歩んでいかねばなりませんでした。
戦争がなければ違う人生、違う家庭があったのかもしれません。
戦争は終わったことですが、まだ終わってない…そんなことを考える8月です。

三重テレビ放送では、8月10日(水) 11日(木) 13日(土) 14日(日) 15日(月)の「ニュースウィズ」などで、終戦に関する話題をお伝えしてゆきます。
記事URL | 投稿者:小川秀幸|コメント(0)