デスク席から(32)師匠への思い 本に/桂福団治さん



カテゴリー:デスク席から
2017.4.7.(金)

「これは伝えておかなければ、という責任感です」
四日市市出身で、関西演芸協会の会長を務める桂福団治さん(76)が、昨年1月に亡くなった師匠・三代目桂春団治さんへの思いを本にまとめました。
題して「ありがとう、わが師春団治」(たる出版/税別1500円)。
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「上方落語の四天王」の最後のひとりであり、端正な芸で知られる春団治さんの様々な思い出がつづられています。
華麗な羽織の脱ぎ方、几帳面な性格、弟子とのエピソード、そしてもちろん芸のことも。
「美学、振舞い、行動が他の師匠と違うんです。定規で測ったような、1センチも狂わない芸。松鶴、米朝、春団治ら各師匠の芸風を画家に例えた場合、春団治は横山大観の絵。無駄のない美しさがあります」(福団治さん)
また、人情噺に傾倒するようになった経緯など、福団治さん自身のことも記されています。
喉にポリープができて声が出なくなり手話落語を編み出したこと、息子さん(当時8歳)を白血病で亡くしたこと…。
「骨の髄から人情を表現していくようになった」と話します。

福団治さんは、三重テレビが主催する落語会「文治まつり」を企画、初回(平成16年)から毎年出演してくれています。
これまでの演目を見てみると「百年目」「藪入り」「蜆売り」「鼠穴」「一文笛」と、人の心情に触れる噺が多く、その理由がわかった気がします。

福団治さんは、林家菊丸さん、桂二乗さんらとともに、ことしも「第14回文治まつり」に出演してくれる予定です。(10月27日/四日市)
記事URL | 投稿者:小川秀幸|コメント(0)