ふるさとへの思いをタスキに 市町対抗駅伝チーム紹介がはじまります


一色 克美
2018.1.19.(金)

アスリートにとって、現役引退を決めるのは、難しいことなのだろうか?

美し国三重市町対抗駅伝の開催が1か月後に迫っている。県内の全ての市と町で、大会に向けた代表チームの練習が行われている。
この大会で、選手生活にピリオドを打つ実業団選手がいる。桑名市にあるNTNに所属する梅枝裕吉選手だ。稲生高校から日体大に進み、箱根駅伝やニューイヤー駅伝を走った。アジア選手権3000m障害、世界クロカンでは、日本代表として戦った。
梅枝選手は「標準記録を切れなかったら引退、そう決めていたので、悩むことはなかった」と話す。数年前からケガもあって思うような走りができない中、最後の1年はチームへの恩返しの気持ちで走ったという。実業団としての駅伝は元日のニューイヤー駅伝が最後になり、テレビの全国中継でも「引退レース」と紹介された。
その梅枝選手が、現役ランナーとして最後のレースに選んだのが、美し国三重市町対抗駅伝だった。かつて区間賞を獲得したのと同じアンカー区間にエントリーしている。
「自分の走る姿を見てもらうことで、若い選手たちに、走ることの楽しさを伝えたい」「中学、高校時代の先生たちに恩返しの気持ちで走りたい」 そんな思いで、地元での駅伝を最後のレースに決めた。

伊勢市の代表としてエントリーしている尾西美咲選手は、5000mのスペシャリストだ。日本選手権4連覇。リオ五輪、2度の世界陸上で日の丸を背負った。
都道府県対抗駅伝では、所属する積水化学のある千葉県ではなく、これまで、すべて三重県代表としての出場だった。ふるさとへの思いはひときわ強い選手だ。
昨夏の世界選手権代表に入れず、現役引退を決めた。報道では、今後のモチベーションの維持が難しいという引退の理由が報じられた。
今年、現役引退を決めて臨んだ最後の都道府県対抗駅伝では、チームを4位まで押し上げ、中継所では、地元の後輩選手に、笑顔でタスキを託した姿が印象的だった。
美し国三重市町対抗駅伝には、実業団チームの合宿の最中に日程を調整し、駆けつけたこともあると聞く。それだけ思い入れがあるのだ。
ケガに苦しみ、一時は引退を決意しながらも再起し、オリンピックの代表の座を掴んだ尾西選手が、最後に地元でどんな走りを見せるのか、注目が集まる。

美し国三重市町対抗駅伝には、地元を離れて活動している、実業団、大学生の選手も数多く出場する。そんな選手に憧れる小中学生から、大人までが、ふるさとのタスキを繋ぐ。そこには、順位を競うだけではない駅伝の魅力が詰まっていると思う。

三重テレビ ニュースウィズでは、1月22日からの月曜から木曜に、全29市町の代表チームを紹介する。ぜひ、ふるさとの代表をチェックしていただきたい。

※チーム紹介の日程は、大会公式ホームページで確認できます
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