踊りで日台交流を


一色 克美
2018.3.8.(木)

だいたい、海外出張に行っても、こういう写真しか撮ってこないから、僕はいつも仕事をせずに遊んでいると思われる。
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【写真:タイヤル族の伝統を守る皆さんと】
初めて台湾を訪れた。写真は、原住民タイヤル族の女性たちだ。みんな綺麗だったし、しなやかな踊りも美しかった。タイヤル族の皆さんが暮らす烏来は、3年前の台風で道路が寸断され、伝統舞踊などを披露する施設も被災したという。台湾観光協会が、僕を含めた報道陣の一行をこの山の中に案内したのは、復興を加速させるため多くの外国人観光客を呼び込みたいという狙いがあるのだろう。偶然にも現地ガイドの女性がタイヤル族の出身だったことから、伝統的な暮らしの話なども聞けた。台北から烏来までの約1時間の車中で、彼女は二・二八事件や映画「悲情城市」の話などをしてくれた。

今回の台湾取材は、台湾最大の祭りであるランタンフェスティバルに参加するよさこいチームを取材するためだった。10月に行われる津まつりの安濃津よさこいでは、優勝チームが、毎年、ランタンフェスティバルに参加している。安濃津よさこいには台湾の学生チームも来てくれているので、踊りを通じた日台交流ということになる。僕は、安濃津よさこいの中継を担当して10年以上がたって、ようやく台湾遠征に同行できることになった。ランタンフェスティバルは旧正月を祝う祭りで、広大な会場に大きいものだけでも2000基を超えるランタンが設置される。

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【写真:巨大なランタン前ステージで踊る嘉門のメンバー】
今年は、安濃津よさこいに初出場で優勝を果たした「嘉們」の約50人が会場前の大通りとステージで演舞を披露した。沿道には大勢の人が出ていて、中には「こんにちは!」などと声をかける人たちもいた。台湾各地や東南アジアからのダンスチームの人たちとも、手を振ったり写真を撮ったりして交流をしていた。ステージ終了後には、詰めかけたお客さんから次々に手が差しだされ、握手を求められる様子は、まるでアイドルのコンサートのようだった。

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【写真:嘉們のメンバーは台湾のお客さんに大人気に】

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【写真:台湾観光局の周局長に義援金を】
台湾では、東海岸のリゾート地・花蓮で2月に大きな地震があった。復興は急速に進み、約1カ月で元のように戻ったというが、観光客が減り続けているという。今回の訪問では、安濃津よさこい組織委員会と嘉們から義援金が贈られた。

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【写真:台湾の夜市  手長エビを釣る屋台も】
今回、現地での自由時間は殆どなかったのだが、夜市には出かけた。甘い飲み物を飲んだり、何かを丸めたものを食べたり、揚げたものを食べたりした。商店街の裏通り、飲み屋街の一角で育った僕にとっては、非常に居心地のいい場所だった。手長エビを釣る屋台もあったが、雲出川で1時間に100匹を捕まえる僕が参戦しては、捕り過ぎで国際問題になりかねないと思い遠慮した。

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【写真:台湾交通部観光局の周局長と】

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【写真:台湾観光協会の葉会長と】
仕事もしている。記者会見に出たり、踊りを撮影したり、このようにブログで観光地の情報をお知らせするのも仕事の一環だ。そうそう、ランタンフェスティバルの会場には三重県をPRするランタンもあった。今年は熊野古道など東紀州をモチーフにしていた。ランタンの出来は素晴らしいものだったが、他府県のランタンがより直接的に観光地をPRしていただけに、すこし印象が弱い気もした。燈籠作家の人たちと「ランタンの出来は三重県が一番だ!」と話していたら、隣の「讃岐うどん」と書かれたランタンの関係者に睨まれた。伊勢うどんなら大丈夫だが、コシのある讃岐うどんで首でも絞められたらひとたまりもない。慌てて立ち去った。

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【写真:三重県のランタン前で製作者の女性らと  台湾新幹線 】
ところで、行きの機内では吉田修一の小説「路」を読んだ。日本が輸出した台湾新幹線の建設までの経緯を横軸に、日本と台湾で交錯する人々の姿を描いた作品だ。ちょうど読み終えたころに台北に着いたので、その余韻に浸りながら、フェスティバル会場の嘉儀まで、2時間弱の新幹線の旅を楽しめた。
3月になったばかりなのに、南部の嘉儀は夏の陽気で、30度を超える気温と強い日差しに、1日で日焼けをしてしまった。嘉儀は、戦前に甲子園に出場した嘉儀農業を題材にした映画「KANO」の舞台で、日本統治時代に本居宣長の歌額を納めた廟もあるのだが、立ち寄る時間はなかった。
駆け足の台湾出張の模様と、安濃津よさこいチームの交流の様子は、今月中に「とってもワクドキ!」で紹介する予定だ。

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